なぜマーケターは「考える力」が求められるのか
デジタル化の加速と共に、マーケターには「データを正しく解釈する力」「本質を見抜く力」「創造的な施策を考える力」がこれまで以上に求められています。しかし、日々の業務に追われ、思考の型を意識的に鍛える機会は意外と少ないのではないでしょうか。
「なぜこの施策は成功したのか」「この事例の本質は何か」「どうすれば他の業界の成功事例を自社に応用できるか」—これらの問いに答えるために必要なのが、「具体⇄抽象」を行き来する思考力です。細谷功氏の『「具体⇄抽象」トレーニング』は、まさにこの思考力を鍛えるための実践的なトレーニング本です。
書籍の概要
本書は、具体的な事例と抽象的な概念を行き来する「具体⇄抽象」の思考法を鍛えるためのトレーニング問題集です。この思考法は、ビジネスにおける問題解決力や創造性を飛躍的に向上させるだけでなく、社内外とのコミュニケーションギャップの解消にも役立ちます。
書籍は「抽象化と具体化の基本動作」の解説から始まり、29の実践的なトレーニング問題を通じて思考力を段階的に高めていく構成になっています。例えば「目覚まし時計」「懐中電灯」「旅行代理店」の共通点を見出す問題や、「現象と理論」「一般論と例外」などの具体と抽象を分類する問題が用意されており、楽しみながら「自分の頭で考える力」を養うことができます。
マーケターが学べる5つの思考スキル
1. 抽象化と具体化の基本思考
抽象化とは、個別の事例から共通点や本質を見出して一般化するプロセス。具体化はその逆に、抽象的な概念を具体的な事例に落とし込むことです。マーケティングの現場では、顧客の声(具体)から本質的なニーズ(抽象)を抽出したり、市場トレンド(抽象)を自社製品の特徴(具体)に落とし込んだりする場面で活用できます。
2. 「具体⇄抽象ピラミッド」による思考整理
ピラミッド型の図式を活用して、具体から抽象への流れを視覚化するツールが紹介されています。これはマーケティング戦略を整理する際にも役立ちます。例えば、複数の成功施策(具体)から共通する成功要因(抽象)を導き出し、他の施策に応用することができます。
3. コミュニケーション力の強化
具体的な事例を用いて説明することで相手にわかりやすく伝える力がつき、抽象的な概念を使うことで多様な場面に対応できる柔軟性も養われます。プレゼンテーションや企画書作成時に、抽象的なコンセプトと具体的な事例をバランスよく組み合わせることで、説得力が高まります。
4. 異業種からの学びを自社に活かす力
異なる業界の成功事例(具体)から、その本質(抽象)を抽出し、自社のビジネス(別の具体)に応用する思考法は、マーケターにとって非常に価値があります。本書のトレーニングを通じて、この「異分野からの転用力」を高めることができます。
5. 創造的思考の実践
新しいアイデアは、既存の概念の新たな組み合わせから生まれることが多いものです。本書では、言葉やアナロジー(類推)を使って異なる概念を結びつける方法が提案されており、クリエイティブなマーケティング施策を考案する際のヒントになります。

こんな人におすすめ
- データから本質的な洞察を導き出したいマーケター
顧客データやマーケット情報から、真に意味のある発見を見つけ出したい方に最適です。 - 社内外への提案・説明力を高めたいビジネスパーソン
抽象的な戦略と具体的な施策を行き来しながら、説得力のあるコミュニケーションを目指す方に。 - 他業界の成功事例を自社マーケティングに活かしたい方
異なる分野の事例から学び、自社の課題に応用するための思考法を身につけたい方に。 - マーケティング思考の基礎体力を鍛えたい若手マーケター
日々の業務の中で意識的に思考力を鍛え、成長したい新卒・若手の方に。
書籍の基本情報
- タイトル: 「具体⇄抽象」トレーニング 思考力が飛躍的にアップする29問
- 著者: 細谷 功