MENU

スマホゲームのマーケティング②:数値シミュレーションの作成

スマホゲームのマーケティングを成功させるためには、適切な準備と戦略立案が不可欠です。
本記事では、マーケティング担当者が最初に取り組むべき重要なステップについて解説します。

【目標売上に基づくシミュレーションの試算】

まず最初に行うべきは、プロダクトの目標売上を達成するために必要なMAU・ARPU・課金率・翌月継続率などを試算することです。もちろん、開発中に既にある程度のPLはあると思いますが、現実性を考慮できているかどうか、特にその売上を達成するためにはどの程度のユーザー数が必要なのかを把握する上でも、改めてマーケティング担当者の観点から確認すると良いと思います。その際、スマホゲームの特性を考慮し、ベンチマークとなるタイトルなどを参考にしながら、長期的な視点でのシミュレーションが必要です。

  • 最低でも半年から1年間の試算を行う
    月ごとの予測売上、ユーザー数、課金率などを設定。
  • リリース1ヶ月目が最もユーザー数や売上が高く、その後減少傾向になることを考慮
    初月を100とした場合、2ヶ月目80%、3ヶ月目60%といった具合に減少率を予測。
  • リリース6ヶ月後には売上が初月の20-30%程度まで落ちることが多い
    ハーフアニバーサリーやアニバーサリー、コラボや季節モノの施策などを踏まえ、シミュレーションを作成。

尚、売上はARPPU × 課金ユーザー数の計算式を使用すると良いと思います。この方法が推奨される理由としては、ARPU × ユーザー数の計算式と比較して、プロモーションやバズによる変動の影響を受けにくく、より安定した予測が可能になります。

【類似タイトルのベンチマーキング】

シミュレーションを作成する際、市場にある類似タイトルを参考にすると良いと思います。類似タイトルのベンチマーキングの際のポイントは以下です。

  • 同じジャンルのゲームであること
  • 類似の年齢層のユーザーが遊んでいるタイトルであること
  • IP(知的財産)の有無や競合となり得るタイトルを考慮すること
    ※IPの場合、既存ファンが既にいる場合が多く、純粋なゲームユーザー層だけではないため、IPの有無は基準の一つとして有効。

【定量調査の実施によるシミュレーションの検証】

市場の現状を正確に把握し、シミュレーション(特に目標売上を達成するために必要なユーザー数に対する)の角度を上げるため、定量調査を実施します。定量調査では、適切なセグメンテーションがとても大切です。

  • IPゲームと非IPゲームでセグメンテーション方法を変える
    IPゲームならIPファンの度合い、非IPならゲームジャンルの好み度合いやベンチマークタイトルプレイ数などでセグメント分けする。
  • 課金可能性順にセグメントを整理
    高額課金層、中額課金層、低額課金層、無課金層といった形で可視化できるようにする。
  • 適切な母数の設定
    自社のゲームタイトルのターゲットユーザーの母数を設定。例えば、日本のスマホゲームユーザー全体、特定ジャンルのゲームファン、IPのファン層など。

定量調査を踏まえ、各セグメント毎の初期獲得目標の設定を行うことで、リリース初月に必要なユーザー数の角度を確かめます。

【結論】

スマホゲームのマーケティングにおいて、最初に手をつけるべきは綿密な市場分析と目標設定です。ユーザー数の試算から始まり、ベンチマーキング、長期シミュレーション、そして定量調査を通じて、現実的かつ効果的なマーケティング戦略の基礎を築くことができます。これらのステップを丁寧に実施することで、ゲームの成功確率を高め、効率的なリソース配分が可能になります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次